橋爪大三郎と大澤真幸、2人の社会学者が対談形式で解説する、わかりやすい不思議なキリスト教。
近代社会とは何か、西洋社会とは何か?そう問うた時、キリスト教という背景は知らずには済ませられない。
キリスト教の思想的な流れを学ぶことにより、西洋の近代化のエッセンスもわかるという、そういう本である。


ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)

ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)

  • 作者: 橋爪大三郎,大澤真幸
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/05/18
  • メディア: 新書
  • 購入: 11人 クリック: 184回
  • この商品を含むブログ (131件) を見る


クリスチャンの人が「キリスト教って素晴らしいよ〜」って言ってる本ではないので、安心して読めます。
また、ニーチェのアンチクライストみたいに、「キリスト教のせいで人類の精神が病んだのだ!」という主張の本
でもないので、クリスチャンの方にも安心してお読みいただけることでしょう。


まず第1部で、起源としてのユダヤ教を中心に一神教(ユダヤ・キリスト・イスラム教)を取扱い、
次に第2部で、イエス・キリストとは何かというテーマが論じられ、
そして第3部で、いかに「西洋」をつくったか、というところに話が移ります。


本の大部分は、大澤氏が問いかけて橋爪氏が答える形ですが、大澤氏の質問力も橋爪氏の回答力も、
理路整然としていてわかりやすいです。
いろいろ目から鱗な知識が多く、読んでよかったな〜と思いました。
「預言者」と「メシア」と「神の子」は何が違うのか、とか普通人が気にしないことまで突っ込んで解説。
「汝の隣人を愛せよ」の隣人って、仲良しの御近所の人などではないということも、某私立高校の宗教の時間では
聖書のその箇所を読んでおきながら、チャプレンの解説はありませんでした。


それから、ユダヤ人がなぜ、安全を保障してくれない神を信じ続けるのかとか、
全知全能の神がつくった世界に、なぜ悪があるのかとか、
「神の子」というアイデアはどこから来たかとか、
聖霊とは何かとか、カルヴァン派の予定説と資本主義の奇妙なつながりとか、
近代哲学者カントに漂うキリスト教の匂いとか、
興味深い質疑応答がずーっと続いて、退屈しないで最後まで読めました。


これはお勧めの一冊。


新書300冊計画の36冊目。